「問い合わせが0件」から脱出するために最初にやること

ご相談のお電話で「実は、問い合わせがほとんど来ていなくて」と切り出される場面があります。
サイトはちゃんとある。アクセス解析も入っている。ただ、ここ半年、フォームからの新規のお問い合わせが一件も来ていない。
そう打ち明けてくださる方は、決して珍しくありません。

「うちのサイトはもうダメなのかもしれません」と続く方もいれば、「いっそ作り直したほうが早いでしょうか」と聞かれる方もいます。 ただ、お話を聞いていくと、サイトそのものが致命的に悪いケースはそれほど多くありません。
問い合わせが0件のまま止まっているのには、もう少し別の理由があることが多いのです。

この記事では、ゼロから1件を動かすために、最初にやるべきことを整理しておきます。

「問い合わせが0件」は、たいてい原因がひとつではない

まずお伝えしておきたいのは、問い合わせがゼロのときに、原因をひとつに絞れることは滅多にないということです。

集客が足りていない可能性もあります。
そもそもサイトに来ている人が少なすぎる、という状態です。
一方で、ある程度のアクセスは来ているのに、問い合わせフォームまでたどり着けていない、というケースもあります。
さらに、フォーム自体は見られているのに、「ここから連絡する理由」が伝わっていないこともある。

つまり、入口・導線・出口、どこにでも原因はあり得ます。
そして多くの場合、複数の要因が少しずつ重なってゼロになっています。

ここで手を止めてしまわれる方が、本当に多いのです。
全部直さないと結果が出ない気がして、何から手を付けるか決められない。
そのうち「一度作り直そうか」という話になり、また同じことを繰り返してしまう。
この流れに入っている会社は、決して珍しくありません。

最初の一歩は、改善ではなく「目標を数字で決める」こと

意外に思われるかもしれませんが、問い合わせ0件から抜け出すために最初にやるべきは、改善作業ではありません。
月に何件の問い合わせがあれば、自社にとって意味があるのかを数字で決めることです。

ここを飛ばして改善に走ると、たいてい途中で迷子になります。「ボタンの色を変えたほうがいいかな」「フォームの項目を減らそうかな」と細かい話に入っていき、やっているうちに、自分たちが何件を目指していたのかが分からなくなる。
結果として、改善が「やったほうがよさそうな小手先の作業」になり、止まってしまうのです。

数字は、難しく考えなくて構いません。「月3件」「年で20件」というレベルで十分です。
営業のキャパシティ、商談化率、受注単価から逆算してみると、自社にとって意味のある数字は意外とすぐに出てきます。
「とりあえず増えればいい」だと、判断基準になりません。
「月3件あれば事業として成り立つ」と決まれば、足りないのか足りているのかが、その瞬間に見えるようになります。

数字を決めただけで何かが直るわけではありません。ただ、ここを決めずに動くのと、決めてから動くのとでは、半年後の景色がまったく違ってきます。

目標が決まると、見るべき数字が決まる

目標が決まると、次にやることが自動的に絞られていきます。

仮に、月3件の問い合わせがほしいとします。
今、月にどれくらいアクセスがあって、そのうち何件が問い合わせに至っているのか。ここを見るだけで、現状と目標のどこにギャップがあるかが分かります。

中小企業のサイトの場合、問い合わせ率(コンバージョン率)は0.5〜1%あたりに収まることが多い印象です。仮に1%だとすれば、月3件のためには月300人ほどのアクセスが必要、という計算になります。
今、月100人しか来ていなければ、まず流入を増やす話になる。月500人来ているのに0件なら、来ている人と伝えていることがズレている、という話になる。

ここで大事なのは、GA4やサーチコンソールを「全部見ようとしない」ことです。 最初に見るのは、アクセス数と問い合わせ数の2つだけで構いません。
細かい指標を網羅しようとすると、それだけで疲れてしまい、結局何も動かないまま終わります。 目標に紐づく数字だけを見る、と決めてしまっていいのです。

そのうえで「一点だけ」直す

現状の数字が見えたら、ようやく手を動かす段階に入ります。 ここでも、欲張らないことが何より大事です。

目標と現状のギャップがいちばん大きいところは、おおまかに2つに分かれます。
ひとつは「流入が足りない」タイプ。そもそもサイトに来ている人が少なく、ここを増やさないと話が始まらないケースです。
もうひとつは「来ているのに問い合わせに至っていない」タイプ。人は来ているのに、フォームへの導線・伝えていること・問い合わせの理由づくりのどこかで詰まっている状態です。

最初の一手は、このどちらかを見極めて、片方だけに集中して構いません。
流入不足なら、検索でヒットしているキーワードの確認や、サービスページの見直しから始める。
導線不足なら、各ページからフォームへの動線、フォーム上部の文言、電話番号の見せ方を整える。 両方を同時に直そうとすると、どちらも中途半端になり、結局結果が出ません。

「全部直さないと意味がない」のではなく、「一点だけ動かしてみて、数字の変化を見る」。 このやり方のほうが、結果的に早くゼロから抜け出せます。

ゼロから1件に動かすことの意味

0件と1件の間には、けっこう大きな差があります。件数の差というよりも、社内に流れる空気の差としてです。

1件でも問い合わせが入ると、サイトを見る目が変わります。
「この人はどこから来たんだろう」「どのページを見て連絡してくれたんだろう」と、データを開く理由が生まれる。
ご相談の場でも、1件出てから打ち合わせの密度が一段上がる場面に、これまで何度も立ち会ってきました。

逆に、ゼロが続いているうちは、何をやっても手応えが返ってこない感覚が強くなります。
「やっぱりWebは効かないのかもしれない」という言葉が出てくるのは、たいていこの時期です。

ゼロを1にする難しさと、1を10にする難しさは、別物です。
今ゼロで止まっている方は、まず1件を出すことだけに集中していい。3件、5件と積み上げる話は、そのあとで考えれば間に合います。


整理すれば、やることは3つだけです。
目標を数字で決める。
現状の数字を測る。
一点だけ直す。
この順番を崩さないこと。
これだけで、長く0件で止まっていたサイトが、ゆっくりと動き出すことは少なくありません。

派手なリニューアルでも、新しい広告でもなく、地味な順番の入れ替えで状況が変わる。0件で悩んでおられる方ほど、まず数字の目標を一度紙に書いてみてください、と思います。

この記事が、少しでも参考になれば幸いです。


ツギテでは、中小企業のWeb活用を一緒に考えるパートナーとして動いています。
「アクセスはあるのに問い合わせがゼロのまま」「何から手を付ければいいか分からない」——そんなご相談も歓迎しています。
現状の数字を一緒に見るところからでかまいませんので、まずは気軽にお問い合わせください。

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