ホームページの改善、どこから手をつければいいのか

ホームページを改善しようと調べ始めると、やるべきことがどんどん出てきます。

サイトを作り直す。ブログを書く。SNSを始める。広告を出す。SEOを頼む。AIを使ってみる。どれも「やったほうがいい」と書かれていて、実際、間違ってはいません。

そして、候補が増えたところで止まります。全部はできない。かといって、どれが自社に効くのかもわからない。この状態のまま数ヶ月が過ぎている会社は、けっこう多いように思います。

決められないのは、選ぶ力がないからではありません。候補を並べている段階では、まだ「自社のどこが止まっているのか」がわかっていないからです。

施策を増やす前に、現状を並べてみる

改善の相談で最初にやることは、施策を選ぶことではありません。いま自社のWeb活用がどうなっているかを、一度並べて見ることです。

これを飛ばすと、だいたい同じ場所に戻ってきます。広告を出してみたけれど反応がなかった。ブログを書いたけれど何も起きなかった。やったことは増えたのに、何が効いて何が効かなかったのかはわからないまま。

現状を並べるといっても、細かく調べ上げる必要はありません。私は、次の5つの領域に分けて見ています。

1|顧客・市場理解

増やしたい仕事や応募が、具体的に決まっているか。その相手が何に困っていて、何を基準に会社を選んでいるかを、想像ではなく実際の声として持っているか。

ここが曖昧なまま作られたサイトは、どうしても総花的になります。誰に向けた言葉なのかが決まっていないので、書けるのは当たり障りのないことだけになる。

過去に選ばれた理由、見送られた理由。営業の現場には材料があるのに、Webには反映されていないことがよくあります。

2|選ばれる理由

誰の、何に役立つ会社なのかが伝わっているか。そしてその主張を裏づける材料——実績、事例、数字、経歴——が示されているか。

自社の強みは、社内では共有されているつもりでも、外に向けた言葉になっていないことが多いです。「技術力が高い」「対応が早い」だけでは、他社と区別がつきません。

依頼や応募をするとき、相手は条件も確かめます。どんな仕事を、どの範囲で、どれくらいの規模から受けられるのか。ここが書かれていないと、問い合わせる前に判断が止まります。

3|Web・コンテンツ

必要な情報が、正しく、揃った形で載っているか。スマートフォンで開いたときに、読むだけでなく操作までできるか。探しているページに迷わずたどり着けるか。

そして、事例や説明をあとから追加できる作りになっているか。ここが硬いサイトは、更新するたびに制作会社への依頼が必要になり、結局止まります。

4|集客・導線

見込み客と接点を持つ場所を、目的に合わせて選べているか。検索、地図、SNS、求人媒体。全部に手を出す必要はありません。むしろ、目的と関係ない媒体を増やすほうが負担になります。

そして、入口の案内とリンク先がつながっているか。広告や投稿で言っていることと、着いたページに書いてあることがずれていると、そこで人は帰ります。

相談や応募のきっかけが分かりやすいか。問い合わせが来たあと、社内の担当にきちんと渡っているか。ここが抜けていて、せっかくの問い合わせが放置されていた、という話も珍しくありません。

5|運用・改善

何を成果と呼ぶかが決まっていて、その数え方も決まっているか。決める人、動く人、使える予算がはっきりしているか。

そして、今やることと後回しにすることを決めているか。実行したことと、その結果を振り返る機会があるか。

この領域は目に見える成果物がないので、いちばん後回しにされます。でも、ここが空白だと、何をやっても積み上がりません。

点数の低いところから直すわけではない

5つ並べると、たいてい弱いところがいくつか見つかります。ただ、そこから順に直していくのは、実は正解ではありません。

判断の基準になるのは、いまの経営課題です。新規の取引を増やしたいのか、人を採りたいのか、既存客との関係を守りたいのか。その目的から見て、いちばん流れを止めている場所はどこか。

それに加えて、期限があるか。費用がどれくらいかかるか。社内に実行できる人がいるか。この三つを重ねると、着手する場所はかなり絞られます。

全部を直そうとしないこと。3か月で動かせるものを3つまでに絞る。それくらいでちょうどいいです。

まず、自社で一度並べてみる

ここまで読んで、自社の5つの領域を思い浮かべてみてください。すぐに「ここが弱い」と出てくる領域もあれば、そもそも確認したことがない領域もあるはずです。

確認したことがない、というのも立派な現在地です。むしろ、わからないことがわかっている状態のほうが、次に進みやすい。

改善のいちばん最初の一歩は、新しい施策を始めることではなく、いま何がどうなっているかを言葉にすることだと思っています。そこさえできれば、何から手をつけるかは、自然と決まってきます。


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