Web担当者がいない会社で、改善を止めないために決めること
ホームページの打ち合わせの席には、たいてい三人ほどが座っています。社長。総務と経理を兼ねている担当の方。そして、ときどき営業の責任者。
話はそれなりに進みます。事例ページを増やそう。採用のページも見直そう。問い合わせフォームも短くしたい。どれも前向きで、反対する人はいません。
ところが翌月の打ち合わせでは、ほとんど何も進んでいない。誰かがサボったわけではありません。全員が本業を抱えたまま、それぞれ「誰かがやるだろう」と思っていた。Web専任の担当者がいない会社では、これがいちばんよく起きる止まり方です。
担当者を一人決めても、止まることがある
こういうとき、よく取られる対策が「担当者を決める」ことです。総務の方にWeb担当もお願いする。若手の社員に任せる。
決めないよりはずっといいのですが、それでも止まることがあります。
担当になった人のところに、仕事が全部集まるからです。何を直すかを決める。現場から写真や情報を集める。実際にページを更新する。直したあとの数字を確認する。これを本業の合間に一人でやるのは、かなり重い。
そして多くの場合、その人には決める権限がありません。予算を使っていいのか、この内容で公開していいのか、いちいち確認が必要になる。確認待ちのあいだに、本業が割り込んできます。
名前だけの担当を置いても、動ける条件がそろっていなければ、改善は進みません。
一つの仕事を、4つの役割に分けてみる
そこで私がおすすめしているのは、Webの改善を一人の仕事としてではなく、4つの役割に分けて考えることです。
決める人。材料を出す人。実行する人。結果を確認する人。
同じ人が二つ以上を兼ねても構いません。小さな会社なら、そうなるのが普通です。大事なのは、それぞれの役割に誰の名前が入っているのかを、はっきりさせておくことです。
決める人
何をやって、何をやらないか。どこまでお金をかけるか。この内容で公開していいか。これを判断する人です。
多くの会社では、社長か、それに近い立場の人になります。この役割の人が打ち合わせにいないと、決めたことが全部「仮」になります。持ち帰って確認し、次の打ち合わせでまた話し直す。それだけで1か月が過ぎます。
決める人が毎回すべてに関わる必要はありません。たとえば、ある金額までの作業や、文章の小さな修正は担当の判断でいい、と最初に決めておく。それだけでも、待ち時間はかなり減ります。
材料を出す人
Webに載せる中身を持っている人です。現場の写真、仕事の事例、お客さんからよく聞かれる質問、採用ならいま働いている人の話。
これを持っているのは、たいてい営業や現場の人です。Webの担当になった人が自分で材料を探し回ろうとすると、必ずどこかで止まります。現場のことは現場の人のほうがよく知っているからです。
だから、材料を出す人を別に決めておきます。月に一度、事例を一つ出してもらう。写真を共有フォルダに入れてもらう。それくらいの小さな頼み方で十分です。ホームページの中身がどれだけ具体的になるかは、ほとんどこの役割にかかっています。
実行する人
実際に手を動かす人です。ページを更新する、文章を整える、フォームを直す。
社内の誰かでもいいですし、外部に頼んでも構いません。4つの役割のうち、外に出しやすいのはここです。決めることと材料が社内でそろっていれば、作業は比較的頼みやすいからです。
逆に、決めることも材料も揃っていない状態で外部に頼むと、何を作ればいいかを外部が想像で埋めることになります。仕上がったものが、どこか自社らしくない。そういうずれは、たいていここから生まれます。
結果を確認する人
やったことのあとで、何が変わったかを見る人です。問い合わせの件数、新しいページが読まれているか、採用なら応募があったか。
この役割が空いている会社は、本当に多いです。作業が終わった時点で、仕事も終わったことになってしまう。でも、結果を見なければ、次に何をすればいいかが決まりません。
難しい分析は必要ありません。月に一度、決めておいた数字を確認して、決める人に伝える。それだけで改善は回り始めます。
専任を雇う前に、兼任で回る形をつくる
役割を分けたら、もう一つ決めておきたいことがあります。それぞれが、月にどれくらいの時間を使えるかです。
月に2時間なのか、8時間なのか。予定に入れていない仕事は、本業に必ず押し出されます。カレンダーに枠を取っておくくらいの具体さがあったほうが、続きます。
Web担当者がいないことを、専任を雇わないと解決しない問題だと考える必要はないと思っています。専任を一人採っても、決める人と材料を出す人がいなければ、その人は同じように止まります。
まずは今いる人の中で、4つの役割に名前を入れてみる。空いている欄があれば、そこが止まっている場所です。外に頼むかどうかを考えるのは、そのあとで遅くありません。
ツギテでは、中小企業のWeb活用を一緒に考えるパートナーとして動いています。
「Webの担当者がいなくて、話し合っても何も進まない」「兼任のままで改善を続けられる形をつくりたい」——そんなご相談も歓迎しています。まずは気軽にお問い合わせください。