「更新した」で終わらせない。Webが進んだかを3段階で考える
ブログを毎月1本ずつ、半年続けた。サイトには6本の記事が並んでいます。事例ページも2件追加した。トップページの写真も入れ替えた。
やったことは、確かに積み上がっています。でも、それでWebは前に進んだのかと聞かれると、答えに詰まる。半年分の作業を振り返ったとき、こういう状態になっている会社は少なくありません。
手を動かしていないわけではない。むしろ、よく動いている。それなのに進んだ実感がないのは、「やったこと」と「起きたこと」が一つの言葉で語られているからだと思っています。
「やった」と「変わった」は別のもの
Webの改善を振り返るとき、私は3つの段階に分けて見ています。
LEVEL 1は、実行です。予定していたことを実際にやったかどうか。ページを公開した、記事を書いた、フォームを直した。
LEVEL 2は、反応です。やったことに対して、見る人の動きが変わったかどうか。新しいページが読まれているか、資料がダウンロードされているか。
LEVEL 3は、事業成果です。商売として意味のある結果が出たかどうか。条件に合う相談が来た、商談になった、受注した。採用なら、有効な応募があった、面接に進んだ、入社が決まった。
この3つは、つながってはいますが、同じものではありません。ページを公開しても読まれなければ反応はありませんし、読まれても相談が来なければ事業成果にはなりません。
冒頭の半年間は、LEVEL 1が確実に積み上がった状態です。それ自体は価値のあることです。ただ、LEVEL 2と3を見ていなかったので、その価値を確かめられなかった。進んだ実感がないのは、そのせいです。
実行は約束できる。成果は約束できない
3つに分けると、もう一つ大事なことが見えてきます。約束できるものと、できないものの区別です。
LEVEL 1は、約束できます。「今月中に事例ページを1件公開する」と決めれば、やったかどうかは公開されたURLを見ればわかります。担当者がいて、時間があれば、確実に完了させられる種類の仕事です。
LEVEL 2と3は、そうはいきません。どれだけ良いページを作っても、読まれるかどうかは相手次第です。相談が来るかどうかは、景気や競合、季節にも左右されます。誰がやっても、ここは保証できません。
だから、Web改善を外部に頼むときは、この区別を確かめておくといいと思います。何を「やる」と約束してくれるのか。成果についてはどう扱うのか。
「問い合わせを○件増やします」と成果を保証する話が出てきたら、少し注意したほうがいいです。保証できないものを保証している可能性があるからです。
逆に、やることの範囲と完了条件をはっきり示したうえで、反応と成果は「一緒に追う目標」として扱う相手なら、話は誠実です。
自社で進める場合も同じです。担当者に「問い合わせを増やして」と頼むのは、本人がコントロールできないものの責任を負わせることになります。「今月はこのページを直す」と実行を頼み、反応と成果は一緒に見る。そう分けたほうが、担当者も動きやすくなります。
実行は、証拠で確かめる
LEVEL 1は単純に見えますが、確かめ方を決めておかないと曖昧になります。
「事例を充実させた」だと、何をもって完了なのかがわかりません。1件増えたのか、5件なのか。文章を直しただけなのか、写真も入れたのか。
完了したかどうかは、見てわかる証拠で確かめるのが確実です。公開されたページのURL。社内で承認された資料。設定を変えた日付。こうした証拠が残っていれば、あとで振り返ったときに「いつ、何をしたのか」がはっきりします。
これは、LEVEL 2と3を見るためにも必要です。反応が変わったとき、その前に何をしたのかがわからなければ、何が効いたのか判断できないからです。
反応と成果は、絞って追う
LEVEL 2と3は、追う数字を絞るのがこつです。
数字は、取ろうと思えばいくらでも取れます。ページごとの閲覧数、滞在時間、クリック率、SNSのフォロワー数。全部並べると、どれかは上がり、どれかは下がります。結局、良かったのか悪かったのかが判断できなくなります。
私は、反応を1つ、事業成果を1つ選ぶことにしています。多くても、それぞれ2つまでです。受注を増やしたいなら、反応はサービスページへの到達、成果は条件に合う相談の件数、といった具合です。採用なら、反応は仕事内容のページへの到達、成果は有効な応募や面接の数になります。
採用では一つ気をつけたいことがあります。応募が増えたことと、採用が増えたことは同じではありません。応募が倍になっても、条件に合わない人ばかりなら、選考の手間が増えただけです。事業成果として何を数えるかは、目的から決める必要があります。
短い期間で、成功か失敗かを決めない
最後に、期間の話です。
LEVEL 1は、その月のうちに確かめられます。でも、LEVEL 2と3は時間がかかります。ページを公開しても、検索に表示されるまで数週間から数か月かかることがあります。相談から受注までに、半年かかる業種もあります。
だから、1か月や2か月で数字が動かなくても、それだけで失敗と決めないほうがいいです。逆に、たまたま良い月があっても、それを施策の成功と結論づけるのは早い。比べるなら、同じ長さの期間で、同じ数え方をした数字同士で比べる。そのくらいの慎重さがちょうどいいと思います。
やったことを記録する。反応と成果を、決めた数字で見続ける。そうすると、半年後に振り返ったとき、何が効いて何が効かなかったのかを言葉にできるようになります。「更新した」の先にあるのは、その振り返りです。
ツギテでは、中小企業のWeb活用を一緒に考えるパートナーとして動いています。
「いろいろ手は動かしているのに、進んでいる実感がない」「何を見れば成果がわかるのか決められない」——そんなご相談も歓迎しています。まずは気軽にお問い合わせください。