「アクセスは来ているのに問い合わせがない」場合に確認すべきこと

「アクセスはそれなりに来ているんです。でも、問い合わせには繋がっていなくて」

この相談は本当によく受けます。アクセス解析を開くと、たしかに毎月それなりの人数がサイトを訪れている。なのに、問い合わせフォームからの連絡は月に数件あるかないか。ひどいときはゼロが続く。数字を眺めながら、何が足りないのかわからずに止まってしまう——そんな状態です。

ここで多くの方が「もっとアクセスを増やさないと」と考えます。広告を出そうか、SEOにもう少し力を入れようか、と。でも、アクセスが来ているのに問い合わせがないなら、増やすべきはアクセスではないかもしれません。先に確認すべきことが、いくつかあります。

「アクセスがある」の中身を見る

まず、「アクセスは来ている」という言葉の中身を分解します。

月に1,000人来ているとして、その人たちは何を見て帰っているのか。トップページだけ見て離脱しているのか、サービスページまで読んでいるのか、料金や事例を見ているのか。同じ1,000人でも、中身はまったく違います。

たとえば検索広告やSNSから来た人の多くが、ページを開いて数秒で離脱しているとします。これは「興味のある人が来て、検討して、帰った」のではありません。「思っていたページと違ったから戻った」可能性が高い。だとすれば、そもそも来ている人と、サイトが伝えている内容が噛み合っていないことになります。

アクセス数という一つの数字だけを見ていると、ここが見えません。どこから来て、どのページを、どれくらいの時間見ているか。まずはその中身を確認します。

来ている人と、求めている人がズレていないか

次に確認するのは、「来ている人」と「問い合わせてほしい人」が一致しているかどうかです。

地域密着で工事を請け負っている会社のサイトに、全国から情報収集目的のアクセスが集まっていることがあります。アクセス数は立派でも、その人たちは依頼者にはなりません。逆に、本当に依頼してくれそうな地元の人には届いていません。

この場合、アクセスが多いことはむしろ判断を狂わせます。数字が出ているせいで「集客はできている」と思い込んでしまう。でも実態は、ターゲットではない人が大半を占めているだけ、ということがあります。

誰に来てほしいのかが先に決まっていないと、アクセスの数字は意味を持ちません。問い合わせが少ないとき、増やすべきは人数ではなく、「狙った人に届いているか」の精度のほうです。

問い合わせまでの道がつながっているか

来ている人が合っていて、ちゃんと中身も見られている。それでも問い合わせがないなら、今度は「動線」を疑います。

サービスを説明するページを読み終えた人が、その流れで問い合わせにたどり着けるか。ページの一番下まで読んだのに、そこに問い合わせボタンがなくて、わざわざメニューから探し直さないといけない。スマートフォンで見たときに、電話番号がタップできない。フォームの入力項目が多すぎて、途中で面倒になる。こうした小さな引っかかりが、問い合わせの直前で人を取りこぼします。

私が見てきた中でも、ページの内容は良いのに、最後の一歩だけが設計されていないサイトは少なくありません。読んだ人が「いいな」と思った、まさにその瞬間に、次の行動が用意されていない。気持ちが動いたタイミングを逃すと、人はそのまま離れていきます。

一度、自分が初めての訪問者になったつもりで、トップページから問い合わせ完了まで通してたどってみる。これだけでも、引っかかる場所がいくつも見つかることがあります。

「問い合わせる理由」が書かれているか

動線が整っていても、まだ足りないことがあります。それは「なぜこの会社に問い合わせるのか」が伝わっているか、という点です。

サービスの内容は書いてある。料金も載っている。でも、似たような会社が他にもある中で、わざわざここに連絡する理由が見当たらない。読んだ人は「悪くないけど、もう少し他も見てみよう」となって、そのまま戻ってきません。

ここで効いてくるのが、実績や事例、お客さまの声、対応の具体的な流れといった情報です。どんな相手と、どんな仕事をして、どうなったのか。それが見えると、問い合わせる側は「自分のときもこうしてもらえそうだ」とイメージできます。判断の材料が揃って、初めて連絡というハードルを越えられる。

問い合わせは、興味の最後ではなく、信頼が一定を超えたときに起きます。その信頼を支える情報が、ページの中に置かれているかどうかを確認します。

順番を間違えないこと

ここまで挙げたことを整理すると、確認する順番が見えてきます。

どんな人が、どこから来て、何を見ているか。来ている人は狙った相手と合っているか。その人が問い合わせまでスムーズにたどり着けるか。たどり着いた先に、連絡する理由が用意されているか。アクセスを増やすのは、これらを確認したあとです。

順番を間違えて、先にアクセスだけを増やすと、合っていない人をさらに多く集めることになります。穴の空いたバケツに、水を足し続けるようなものです。まずは穴がどこにあるかを見る。問い合わせがないという結果には、必ずどこかに理由があります。

数字を眺めて止まってしまったときこそ、アクセスの「中身」に一度目を向けてみてください。増やす前に、確認することがあります。


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