中小企業がSEOに取り組む前に知っておくべきこと
「SEO対策、うちもやったほうがいいですよね」
そう聞かれることがあります。そのあと決まって出てくるのが、営業電話の話です。「上位表示を保証します」「月○万円で1位にします」。そういう電話が、月に何本もかかってくると。
やったほうがいいのか。頼んでいいのか。判断する材料がないまま、なんとなく不安だけが残る。そういう状態の方が多いように感じます。
今回は、SEOに手をつける前に知っておくと迷わずに済むことを、いくつか書いてみます。
SEOは「検索する人に見つけてもらう」ための整備
まず、SEOという言葉の中身から。日本語にすると検索エンジン最適化ですが、要するに「検索した人に自社を見つけてもらいやすくする」ための取り組みです。
検索順位は、Googleが独自の基準で決めています。その基準は公開されていませんし、頻繁に変わります。ただ、大きな方向性ははっきりしていて、「検索した人の知りたいことに、いちばんよく答えているページ」を上に出そうとしています。
だから、順位を上げるための近道というのは基本的にありません。検索した人が求めている情報を、自社が持っていて、それがきちんとページになっていること。地味ですが、これが土台です。
逆に言えば、この土台がないまま小手先の作業をしても、上がらないか、上がってもすぐ落ちます。
「すぐ上がる」は、ほぼない
SEOの相談でいちばん誤解が多いのが、時間の感覚です。
広告は、出したその日から表示されます。止めればその日に消えます。SEOはまったく違います。ページを作って、Googleに認識されて、評価が定まるまでに、数ヶ月かかることが普通です。
競合が少ない言葉なら早く動くこともありますが、それでも数週間から数ヶ月。よく検索される言葉になれば、半年から1年単位の話になります。
だから「1ヶ月で上位表示」といった売り文句には、慎重になったほうがいいです。実現できるとすれば、ほとんど誰も検索していない言葉で1位を取るか、あるいは検索エンジンの評価を不正に操作するような手法か。前者は意味がなく、後者は後で大きな問題になります。
時間がかかるという性質は、裏を返せば強みでもあります。積み上げたものは、広告のように止めた瞬間に消えたりしません。この点で、SEOは資産に近い性質を持っています。
狙う言葉を間違えると、努力が報われない
もう一つ、最初に決めておきたいのが「どの言葉で見つけてもらいたいか」です。
ここで多いのが、大きな言葉を狙ってしまうケースです。「リフォーム」「システム開発」「税理士」。検索する人は多いですが、その分、全国の大手や専門メディアと同じ土俵に立つことになります。中小企業が正面から戦って勝てる場所ではありません。
代わりに効くのが、絞り込まれた言葉です。地域名を足す。業種や用途を足す。困りごとの形で表現する。「〇〇市 外壁塗装 見積もり」「小規模事業者 給与計算 代行」といった具合です。
検索する人の数は減ります。でも、そう検索している人は、かなり具体的に困っています。100人が来て誰も問い合わせないより、10人来て1人が相談してくれるほうが、商売としては良い。
自社が本当に取りたい仕事は、どんな言葉で探されているのか。ここを外すと、どれだけ記事を書いても成果に繋がりません。
業者に頼む前に確かめたいこと
SEOを外部に頼む場合、判断の材料は多くありません。専門的で、こちらに知識がないからです。ただ、いくつか確かめられることはあります。
何をするのかを、具体的に説明してくれるか。「独自のノウハウで」としか言わない場合は要注意です。ページを増やすのか、既存ページを直すのか、被リンクを集めるのか。作業の中身が説明されないまま契約するのは避けたほうがいいです。
保証をうたっていないか。順位はGoogleが決めるもので、誰にも保証できません。「保証」という言葉が出てきた時点で、内容を疑ったほうがいいと思います。
そして、成果をどう測るのか。順位だけを報告してくる契約は、あまり意味がありません。順位が上がっても問い合わせが増えなければ、商売としては何も変わっていないからです。問い合わせ数まで見てくれるかどうかは、良い判断材料になります。
まず、自社でできることがある
外に頼む前にできることも、実はけっこうあります。
自社のサービスページを読み返してみる。お客さんが使う言葉で書かれているでしょうか。社内の呼び方や業界用語で書かれていると、そもそも検索に引っかかりません。
ページのタイトルを確認してみる。「サービス」「事業内容」だけになっていませんか。「〇〇市の外壁塗装|株式会社△△」のように、何の会社で、どこで、何をしているかがわかるタイトルにするだけで、変わることがあります。
よく聞かれる質問を、ページにしてみる。営業やお客様対応で繰り返し聞かれることは、たいてい他の人も検索しています。それはそのまま、検索されている言葉です。
こうした作業は、費用はかかりませんが、効果の土台になります。というより、この土台がないまま外部に依頼しても、費用対効果は上がりません。
順位ではなく、その先を見る
SEOに取り組むこと自体は、中小企業にとって意味があると思っています。地域や分野が絞られているほど、勝てる余地があるからです。
ただ、順位そのものを目的にすると、話がおかしくなります。1位になっても問い合わせがなければ、それは目的を達していません。逆に5位でも、そこから月2件の相談が来ているなら十分です。
上がったか下がったかではなく、その先で何が起きているか。そこを見るようにすると、SEOはずいぶん扱いやすいものになります。
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