AI時代のコンテンツ発信、中小企業はどう考えるべきか
検索の景色が、この1〜2年でずいぶん変わりました。
調べものをすると、検索結果の一番上にAIがまとめた答えが出てきます。それを読んで納得すれば、その下のサイトを開かないまま終わることもあります。そもそも検索エンジンを使わず、AIに直接聞く人も増えました。
こうなると、気になることが出てきます。自社でコンテンツを発信する意味は、まだあるのか。
結論から言えば、あります。ただ、意味のある発信の中身は、確実に変わってきています。
「調べればわかること」を書く価値が下がった
まず起きているのが、一般的な情報の価値の低下です。
「〇〇とは何か」「××の選び方」「△△の基本的な手順」。こういう記事は、以前なら検索から人を呼ぶ入口になりました。いまは、AIが同じ内容を数行でまとめてしまいます。わざわざ個別のサイトを開く理由がありません。
だから、どこかで読んだ情報をまとめ直した記事を量産しても、成果にはつながりにくくなっています。AIを使えばこの手の記事は速く作れますが、速く作れるということは、他社も同じように作れるということです。
数を出せば当たる、という考え方が効かなくなってきている。まずここが、一番大きな変化だと思います。
AIが持っていない情報は、まだたくさんある
では、何を書けばいいか。
AIが持っていないのは、世の中に出ていない情報です。そして中小企業の現場には、それがかなりの量で眠っています。
自社が実際に手がけた仕事の中身。うまくいかなかった案件で、何が原因だったのか。お客さんから繰り返し聞かれる、教科書に載っていない質問。地域特有の事情。取り扱っている材料や設備の、カタログには書かれていない癖。
こういうものは、社内にいる人からすると当たり前すぎて、わざわざ書くようなことではないと感じます。でも、外から見れば、他では手に入らない情報です。そして、AIにも書けません。
自社にしか書けないことを書く。言葉にすると当たり前ですが、これが以前より効くようになっています。皆が同じような記事を作れる時代になったからこそ、中身の出所が効いてくるのです。
AIに読まれることも、発信の目的になった
もう一つ、考え方として加わったことがあります。
これまでコンテンツは、人に読んでもらうために書くものでした。いまはそこに、AIに参照されるという役割が加わっています。
誰かが「この地域で〇〇を頼める会社」とAIに聞いたとき、AIはWeb上の情報を元に答えを組み立てます。そのとき自社の情報がきちんと公開されていれば、候補として挙がる可能性があります。載っていなければ、選択肢にすら入りません。
だから、対応できる業務の範囲、営業エリア、実績、よく聞かれる質問への答え。こういった基本情報を、あいまいにせず具体的に書いておく意味は、以前より大きくなっています。
これは特別な対策ではありません。人が読んでわかりやすいページは、AIにとっても読み取りやすい。結局のところ、やることは同じです。
量より、更新が続いていること
AIで記事を作れるようになって、月に何十本も出す会社が出てきました。中小企業がそこに張り合う必要はないと思っています。
見るべきは、数ではありません。自社が本当に取りたい仕事について、きちんと答えているページがあるか。そのページの情報が古くなっていないか。この二つのほうが、はるかに大事です。
月に1本でも構いません。現場で起きたことを一つ書く。よく聞かれた質問に答える。それを続けているサイトは、止まっているサイトとはまったく違って見えます。人にとっても、AIにとっても。
そして、続けるためにAIを使うのは良い選択です。構成を考える、下書きを作る、読みにくい文章を整える。こういう部分を任せれば、発信の負担はずいぶん軽くなります。中身は自社から出して、作業はAIに手伝ってもらう。この組み合わせが、いまのところ一番現実的だと思います。
変わったものと、変わらないもの
検索の形は変わりました。この先も変わり続けるはずです。数年後には、いま書いていることの半分は古くなっているかもしれません。
ただ、その中で変わらないこともあります。困っている人がいて、その困りごとに答えられる会社がある。両者が出会うために情報が必要だという構造は、検索エンジンでもAIでも同じです。
AIが答えを出してくれるようになっても、実際に施工するのも、修理するのも、相談に乗るのも人です。その仕事の中身を、自社の言葉で外に出しておく。やるべきことは、案外シンプルなままだと思っています。
ツギテでは、中小企業のWeb活用を一緒に考えるパートナーとして動いています。
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