アクセス数を追いかけても成果は出ない——本当に見るべき数字とは
「アクセス数、前より増えてるんですよ」
そう言われて画面を見せてもらうことがあります。たしかに、グラフは右肩上がり。半年前より数字は伸びています。
そのあとで、こう聞きます。「問い合わせは増えましたか」。すると、少し間があいて「それは、あんまり」と返ってくる。この会話を、何度かしてきました。
アクセスが増えたのに成果が変わらない。中小企業のWeb集客では、これがよく起きます。今回は、なぜそうなるのかと、代わりに何を見ればいいのかを書いてみます。
アクセス数は、成果と直接つながっていない
まず前提として、アクセス数そのものは悪い指標ではありません。誰も来ないサイトから問い合わせは生まれませんから、人が来ていること自体は必要です。
問題は、アクセス数が「増えた・減った」しか教えてくれないことです。
たとえば、たまたま書いた記事が検索で当たって、月のアクセスが2倍になったとします。でもその記事を読みに来たのが、その分野に興味があるだけで発注の予定がまったくない人だったらどうか。数字は伸びますが、商売には一円も繋がりません。
逆に、月に30人しか来ていなくても、その30人全員が「この地域でこの工事を頼める会社」を本気で探している人なら、そこから問い合わせは生まれます。
つまり、数の多さと成果の量は、必ずしも比例しません。アクセス数だけを見ていると、この違いが見えないまま「増えているから大丈夫」と思い込んでしまいます。
見るべきは、いちばん最後の数字
では何を見るか。結論はシンプルで、自社の商売に直接つながる数字です。
問い合わせ件数。資料請求の数。採用サイトなら応募数。電話をかけてきた件数。業種によっては、来店予約や見積もり依頼かもしれません。
これらは、Webの数字であると同時に、営業の数字でもあります。だから経営者にとって意味がわかる。
「先月は問い合わせ4件、今月は6件」と言われれば、それが良いのか悪いのか、感覚として判断できます。「セッション数が1,200から1,450になりました」では、そうはいきません。
まずはここを、Webの目標にする。アクセス数は、その目標に向かう途中経過として見る。この順番にするだけで、判断がずいぶん楽になります。
そして、この最後の数字を測るには、フォーム送信や電話タップが計測できる状態になっている必要があります。ここが設定されていないサイトは、実は少なくありません。何件問い合わせが来たかを、メールの受信箱で数えている会社もよくあります。まずはそこを整えるところからです。
途中の数字は「原因を探す」ために使う
とはいえ、アクセス数や滞在時間といった数字がまったく不要かというと、そんなことはありません。使いどころが違うだけです。
問い合わせが増えない。この結果だけを見ても、次に何をすればいいかはわかりません。原因を探すときに、途中の数字が効いてきます。
そもそも人が来ていないのか。来ているけれど、サービスページまでたどり着いていないのか。サービスページは見ているのに、問い合わせフォームを開いていないのか。フォームは開いているのに、送信されずに終わっているのか。
どこで人が減っているかがわかれば、直す場所が決まります。人が来ていないならまず集客、フォームで止まっているならフォームの中身。同じ「問い合わせが増えない」でも、打ち手はまったく違います。
途中の数字は、目標ではなく診断のための材料です。この使い分けができると、数字を見る時間が無駄になりません。
目標は、逆算して小さく置く
最後に、目標の立て方について。
「月に何件の問い合わせがほしいか」から始めます。ここは希望ではなく、事業の必要から決めるほうがいいです。年間で新規をあと何社増やしたいのか。そのうちWeb経由でどれくらい取りたいのか。そこから月あたりの必要件数が出ます。
仮に月3件としましょう。そこから、問い合わせに至る割合を掛け戻していきます。サイトに来た人の1%が問い合わせるとすれば、月300人。0.5%なら600人。この数字が、必要なアクセス数の目安になります。
ここで初めて、アクセス数に意味が生まれます。「増えたら嬉しい数」ではなく、「3件のために必要な数」になるからです。
そして、いまの実績が月100人なら、いきなり600人を目指すより、まず問い合わせ率のほうを上げられないか考える。300人集めるのと、1%を2%にするのとでは、後者のほうが手が届きやすいこともあります。どちらを先に触るかも、数字を並べてはじめて判断できます。
数字は、増やすためではなく決めるために見る
Webの数字を見る目的は、良い数字を集めることではありません。次に何をするかを決めることです。
アクセス数が伸びていても、次の一手が決まらないなら、その数字は見ていないのと変わりません。逆に、問い合わせが月2件しかなくても、どこで人が止まっているかがわかっていれば、次に触る場所は決まります。
まずは、自社のサイトから月に何件の問い合わせが来ているか。それを正確に言えるところから始めてみるのがいいと思います。
ツギテでは、中小企業のWeb活用を一緒に考えるパートナーとして動いています。「アクセスは増えているのに問い合わせが来ない」「何の数字を見ればいいのかわからない」——そんなご相談も歓迎しています。まずは気軽にお問い合わせください。